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自分で自分を幸せにし、お互いを高め合える夫婦・恋人関係を築くための学びのコミュニティ「パートナーシップ心理学アカデミー」の代表 湯川央恵です。
先ほどネット検索をしていて、「毒親に復讐するためにはどうしたらいいですか?」という質問をみかけました。
その回答の中には、
「親より幸せになりましょう」
「一番の復讐はあなたが復讐を忘れて幸せになることです」
「自分の幸せライフを優先して生きましょう」
と、質問者さん自身が幸せになることですよ、というものがありました。
これを読んだ時に、うーん、ちょっとそれじゃあちょっと情報が足りないなぁという思いが湧いてきたのでここでお伝えしたいと思います。
親への復讐心から来た夫婦問題
追加したい情報の1つは、表面上で「復讐を忘れる」と思ったとしても、潜在意識(無意識)で親を恨み続けたままだったら、現実は恨んで復讐したいと思っている自分となんら変わらんということ。
具体的に説明しますね。
以前、私どもパートナーシップ心理学アカデミーに、Aさんという方が相談に来られました。
Aさんは以前から、家の中で夫と言い争いが絶えず、結婚 生活が破綻寸前。なんとか関係修復をしたいのだが夫から拒否され、途方に暮れていました。
相談に来られる前、Aさんは何度もこう決意されたのだそうです。
「夫に笑顔で接しよう」「何を言われてもイライラしないよう」と。
でもいざ夫の言動を目の当たりにすると、そんな決意は吹き飛び、あっという間に元の不機嫌でイライラする自分に逆戻りしてしまったとのことでした。
このように、自分はこうなりたい/こうしたいと思っているのに、なぜか思うようにできないーー決意した自分の邪魔をするもう一人の自分がいる・・・?
そんな風に思うこと、ありませんか。
それは、繰り返しになりますが
「人の思考や判断は、大部分を潜在意識(無意識)の影響を受ける」から。
Aさんの潜在意識に、不機嫌でイライラすることを選択する「もう一人の自分」がいるので、表面でそうしないと思ってもそうならないのです。
ネットの質問者さんが子供の頃から親の言動を恨み、責める思いを持ち続けてきたとしたら、潜在意識では「親に復讐をして思い知らせてやりたい」と思っているわけです。もちろん潜在意識下でのことなので、本人は自覚できませんけどね。
なので回答を見て、「そうか。分かった。じゃ、親のことは許すようにするわ」と表面上で思ったとしても、実際に親の言動を見たり、ふと昔のことを思い出したことをきっかけに、元の恨む自分に逆戻りする可能性は高いと思います。
追加したい情報の2つ目は、幸せへの足枷になっている親への恨みや復讐したい思いは、幼い頃に持った親への偏った思い込みが大きな原因の一つになっている、ということ。
相談にみえたクライアントさんの悩みを、私どものカウンセリングを通して紐解いていくと、問題の根っこに、親へ持っている恨み・復讐したい思いが関係していることが多々あります。
自分の人生が上手くいかない方が持つ、代表的な思いが下記です。
- 親が毒親で、機能不全状態の家族の中で育ったから
- 両親が喧嘩ばかりしている、殺伐とした家庭で育ったから
- いつも親からきょうだいと比較されたせいで、自分に自信が持てなくなったから
- けなされてばかりで親から褒められたことがなく、自尊心を育ててもらえなかったから
(以上、当アカデミーで集計した、親への恨みランキング一覧 上位4つです)
カウンセリングでは、クライアントさんの心の奥にある思いに寄り添っていくと、こうした表面上は見えなかった思いがあふれ出てきます。
そしてこう言われます。
「あの人は親としてありえない!」
「自分は可哀想な被害者だ!」
カウンセリングでは、こういうご本人の気持ちに、まずは全力で寄り添います。
でも、私達が最も大事にしているのは、クライアントさんを被害者という弱者のままでい続けさせないという点です。
そのために、子どもだった自分が、親に持っていた偏った思い込みを明らかにし、徹底的に修正する。このようにして、これまで相手に委ねていた人生の主導権を自分自身に取り戻していただくことに全力を注ぎます。
私はこれまで、こうして自分の人生を取り戻していかれる方の姿を3000人以上見てきました。
そして今、卒業生が自らの場所で生き生きと活躍し、真の幸せを手にした姿からも、親への恨み・復讐したい思いを見直していくことは、幸せへの大きなステップになると確信しています。
この事実を日本いや世界の隅々まで、多くの方に伝えたいという思いで、この記事を書いています。
この後のページでは更に詳しく、親への恨み心がどのようにあなたが幸せになることを邪魔しているかを、実例を交えながら解説し、元の自分に二度と逆戻りせずに、真に幸せな人生を手に入れるための方法を紹介します。
ぜひ最後までじっくりお読みくださいね。
親に持った復讐心や偏った思い込みが幸せを妨げているー具体例
前ページで、親への恨み・復讐したい思いは、幼少期にもった親への偏った思い込みが原因とお伝えしましたが、それが人生に影響を及ぼしている具体例をご紹介します。
最後までお読みいただくことで、成功を阻む思考が不本意な現実を引き起こしているカラクリがおわかりいただけると思います。
なお、こちらはご本人から許可をいただいた上で、内容を多少変更して掲載しています。
親への復讐心ー事例:人前で緊張して上手く話せない女性
Kさんは、夫と小学生と中学生二人の娘さんとの4人暮らし。
Kさんは、お子さんの学校のクラス役員をしたり、町内会、同窓会といった集まりの場で積極的に役を引き受けるなど、ボランティア精神あふれる活動的な方です。
役を引き受けて人の役に立つことにやりがいを感じているとおっしゃっていました。
でも、行事計画を立てたり、外部との折衝、経理や記録といった裏方の仕事は楽しくやっていましたが、Kさんには悩みがありました。
そういう役の中ではとかく、大人数の場で挨拶したり、報告したりという機会が出てきますが、Kさんはこれが苦手だったのです。
真面目なKさんはそういう場には、事前準備をしっかりして臨みますが、本番ではなぜか緊張してしまい、自分の思いを上手く伝えられないと感じることが多く、実力が発揮できないと悩んでおられました。
人前で緊張しない方法を、ネットや本で色々調べてはやってみました。聴衆は皆んなじゃがいもだと思うようにするとか。事前に手の平に”人”と書いてペロッと舐めるとか。話す前、人前で上手く話せる自分をイメージしてみたり。
でも、どれも効果はありませんでした。
近い将来、知人と小さなビジネスを立ち上げることを考えているのですが、こんなことではとても無理だと思って悩んでいます。
復讐心の鍵を握る「インナーチャイルド」
パートナーシップ心理学アカデミーのカウンセリングでは、一つの手段として「インナーチャイルドワーク」という手法を用いています。
インナーチャイルドワークでお話を聞いていくと、Kさんは子どもの頃のあるエピソードを思い出されました。
幼稚園生くらいの頃、クリスマスの前に、サンタさんにお願いするプレゼントを紙に書くようにお母さんに勧められたことがあったそうです。子どものKさんは何を頼もうかなとワクワクしながらアレコレ思いを巡らしていました。
そしてお母さんにちょっと甘えて、「何を頼んだらいいと思う~?」と話しかけました。
するとお母さんに
「さっさと決めなさい!Tちゃん(弟)はもう書いたよ。Tちゃんみたいにさっさとしなさい!」
と怒られたのです。子どものKさんはとてもショックだったそうです。
そして
「そんな言い方をするなんてお母さんはひどい!」
「お母さんは弟のほうが好きで、私のことは嫌いなんだ」
と思って悲しくなってしまわれたんですね。
ここは、私たちプロが丁寧に誘導し、ご本人も自覚していない潜在意識の中にあるものを紐解いていった結果、このような思いを持っていたことが分かったのです。
そして、
「これについてはずっと母を恨んでいて、私が人前で話をするのが苦手だったり、自信が持てないのは、母に子供の頃に何度も言われて傷ついたことが原因だと思っていました」
「心無い母の言葉のせいで、自分は緊張するようになってしまい、実力が発揮できないという機会が、子どもの頃から何度もありました。大人になって仕事でもありましたね。」
と涙ながらに、心の奥底で抱えていた思いを吐露されました。
親への復讐心ー親に持った期待
インナーチャイルドワークをさらに続けると。。。。
お母さんに腹を立てた子どものKさんは、こう思っていたことが分かりました。
「親だったら(愛しているなら)、優しくニコニコして、子どもの気持ちに寄り添うべきだ」
「親だったら(愛しているなら)、子どもを否定せず、ありのままを受け入れるべきだ」
「親だったら(愛しているなら)、子どものペースに合わせるべきだ」
私達はこれを「愛の定義」と呼んでいます。この愛の定義こそが、親へ持った偏った思い込みです。
子どもの時に親へ持ったこの思いは、成長するに従って対象を学校の先生、会社の上司、夫、義理の両親というように変えて、自分の思ったとおりにならないことが起きると、この愛の定義を持ったインナーチャイルドが大暴れ。そして周囲と問題を起こしたり、それで本人が苦しんだりするという現実になるのです。
子どものKさんは、こうやって心の中でお母さんのことを恨み、責めていたのです。(もちろん、本人は無自覚)
「決めたこと」通りに人生が運ばれていく
そして、子どものKさんはさらに
「だったらいいよ。思い知らせてやる!」
「しゃべってやるもんか!」
と決めたことも分かりました。(本人は無自覚)
この幼児決断でお母さんを恨んだ子どものKさんは、お母さんがKさんに望む「ハキハキしゃべる」をしないことで、お母さんを困らせてやろうと決めたんですね。
これこそが復讐です。
読者の皆さんはもう気付かれましたね。
そう。
Kさんが人前で話すのが苦手なのは
「お母さんに思い知らせてやる。しゃべってやらないからな!」
と子どものKさんが決めたから。現実が、決めた通りになっていただけのことだったのです。
(この愛の定義と、幼児決断は、潜在意識に溜まっていきます)
それを聞いたKさんは、とても驚いておられました。
いくら大人のKさんが「自分の考えていることを話したい」「思いを伝えたい」と思って人文字をペロッとしたり、人前で上手に話す自分をイメージしたとしても、心の深い部分(潜在意識)で「自分を見せない」「しゃべらない」と決めているなら、話せないし伝えられないという現実になっていたのは当然のこと、なのです。
復讐のターゲットはお母さんだったのですが、困ってたのは結局自分だったというわけ。
これが、Kさんが自分のなりたい姿になれない(=Kさんの欲しい幸せが得られていない)原因になっていたというカラクリです。
偏った思い込みを修正する
インナーチャイルドワークでは、お母さんに愛されていないと思い込んでしまった、その思いに十分共感し、癒やすことをしていきます。
この癒やしプロセスはとても大切ですが、癒やしだけでは現実は変わりません。
最も大切なポイントは、今のKさんを苦しめている思い込みを解くこと。
私たちは、この部分に一番重きをおいています。
この思い込みを解くことができれば、お母さんへの恨みでいっぱいだった幼稚園児の自分が、今度は大人の自分がなりたい姿になる上で、最強の協力者になります。
そのために、インナーチャイルドワークで、そのショックな出来事があった少し前に時間を遡ってみるということをしていきます。そこで不快な出来事の中で起きた、本当の原因を見える化していきます。
さてKさん。
サンタさんにお願いしたいプレゼントを紙に書くシーンの前のこと。
子どものKさんは実はお母さんに「ねーねー何をお願いしたらいいと思う?」と何度か聞いていたんですね。
そのたびにお母さんは「そうだねぇ。〇〇を頼んでみたらいいんじゃない?」や「Kちゃんは何がほしいの?」と、散々Kさんに付き合ってくれていたのです。
お母さんに「さっさと決めなさい!」と言われた時は、お母さんは夕ご飯の支度か後片付けをしていて忙しそうだったということも分かりました。
そんな忙しい時間に、同じことを何度も聞いてくる子どもに、お母さんだって人間ですから、イライラして声を荒げてしまうということはありえますね。
Kさんの記憶ではその周辺情報がすっぽり抜け落ちていて、ただ、お母さんに不快なことを言われたという部分だけが残っていてのです。
子どもは狭い視野でしか出来事を見ることができません。
インナーチャイルドワークで、客観的な視点や大人の視点で出来事を見ていくことで、子どもの頃の偏った思い込みをこうして一つ一つ修正していきます。
そして子どもの自分には、こう伝えます。
「あなたは、自分がやっていたことはきれいサッパリ忘れて、お母さんが言ったことに傷つけられた、自分は可哀想だと思っていたけど、それは違うんだよ。あなたはお母さんに迷惑をかけたていたんだよ」
「自分が欲しいプレゼントは人に頼らず自分でサッサと決めるんだよ。いつまでも迷ってお手紙を書かないでいると、忙しいサンタさんの所にクリスマスまでにお手紙が届かないかもしれないよ」
「お母さんとサンタさんの都合を考えず、いつまでも手紙を書くのをウダウダ グダグダ先延ばしにしていたことを謝ろうね。そしてやるべきことにはサッサと取り掛かると決めようね」
(ここは人によってさまざまな内容になりますので、プロのカウンセラーにお願いすることが一番ベスト)
こうして、子どもの自分をしつけ直しー教育をします。(潜在意識の書き換え)
その後のKさんの変化
カウンセリング後、Kさんは子どもの自分の非を認め、自分のしていたことを棚に上げ、お母さんを責めてきた勘違いを心のなかで謝る、ということをしていかれました。
今も緊張がゼロになったわけではないですが、フワフワと浮わついた自分が消え、地に足がついたような感覚があります。
以前のように、自分が皆さんにどう思われるかをやたら気にするのではなく、皆さんのためにどう分かりやすく伝えるかということに集中している自分がいて、こういう自分の変化に驚いています。
と話されていました。
思わぬおまけが付いてきた!①
Kさんが解決したかったのは、人前で緊張する自分でしたが、その原因を修正したことで、同時に問題解決できたことがありました。
Kさんは、以前は提出物などを締め切り間際まで手を付けず、ギリギリになってから慌ててやる、また、仕事をダラダラと時間をかけてやりがちでした。
とにかくギリギリマンで、さっさとできない!これまで、何度となく改めなくてはと思いながらも、なかなかできなかったそうです。
実はコレも
「親なら、私のペースに合わせるべきだ」とお母さんを恨んで責めていたから、サッサとしないことで、咎めたお母さんに復讐していたんですね。
その愛の定義「私のペースに合わせるべきだ」を修正しお母さんに謝ったことで、この行動も変わってきたというわけです。
このように、根っこの思い込みを修正できると、現実の問題が同時に解決していくということは、よくあります。
おまけはさらに続きます。
思わぬおまけが付いてきた!②
親への思い込みを修正していったことで、もう一つ大きく変わった現実は、夫との関係です。
相談に来られる前、Kさんは夫との関係に、さほど大きな問題があるとは思っていなかったんですね。
でも実際は、自分の思い通りにならないことがあると黙り込んで、何日も口を利かないということをやっていたKさん。それでも夫は我慢してくれていたのでしょう。だからKさんは自分の振る舞いに「問題がある」とは、これっぽっちも気づいていなかったのです。
相談にきて1ヶ月が経った時、またしてもそんな態度をとるKさんに夫が「いい加減にしろ!もうやっていられない!」と大声で怒鳴り、食器を床に投げつけられたんですね。
見たこともない夫の様子に驚いたKさんでしたが、一連の気づきがあった時、この出来事も「自分のペースに合わせろ!」というKさんの思い込みが、夫をここまで追い込んでいたことに初めて気がついたそうです。
夫は黙って自分に合わせてくれていたんですね。でも優しい夫の堪忍袋はすでに破裂寸前だったんだということに、やっと気が付きました。
「自分のペースに合わせろ!じゃないとしゃべってやるもんか!」を手放せたことで、不機嫌に黙り込むことをしなくなったKさん。今は、自分の思いはちゃんと伝え、それに夫も応える形で穏やかな対話ができるようになり、温かい夫婦関係に改善したそうです。
Kさんの感想
Kさんにパートナーシップアカデミー受講の感想をいただきました。
「パートナーシップ心理学アカデミーでは、個別カウンセリングの他、知識を得るワークショップ、受講生をサポートするシステムが整っていて、受講期間中は安心して取り組めました。」
「自分としては、人前で話すのに緊張する自分をどうにかしたいと思っていましたが、根っこの思い込みを修正したら、他の行動パターンや問題も一気に解決する方向に向かったことに、とても驚きました。
以前とは比べものにならないくらい生きやすくなったと感じていて、受講して本当によかったと思っています。」
Kさん、貴重な体験談をシェアしてくださり、ありがとうございました。
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