夫婦喧嘩を見て育ち、結婚に希望が持てない
難関大学卒業後、大手金融会社に勤め、今では部下を持つバリバリのキャリアウーマンEさんのご相談からスタートしましょう。
最近になって、両親から「まだ結婚しないのか?」「早く孫の顔を見せろ」と言われるようになりました。
親の勝手な言い草に腹が立つものの、正直なところこのままでいいのか不安。
小さい頃から喧嘩ばかりの両親。
母親は離婚したかったけど、専業主婦しかやったことがなく、食べて行けないから我慢していました。
そのせいか、母の口癖は「女は結婚したら最後」「女でも自立せなあかん」「手に職をつけなさい」と言われ続けてきました。
仲の悪い夫婦をずっと見てきたし、自分の周りにうまくいっている夫婦も見当たらない。
何をお手本にパートナーシップを築いていけばいいのか、わからない。
幼少期に親の喧嘩を見ていたとき、どんな気持ちだったのか、どうして欲しかったのか、両親から何を学んだのか、そんなことを書き出してみましょう。
静かに、一人になってあの頃を思い出しながら書くのです。
そうするといろんな感情がわいてきます。その気持ちを、ひとつひとつ救い上げて行く作業です。
・いつも喧嘩しないように間に入って、なんとかしようとしてたよね
・いつも前ぶれなく始まるから怖かったね
・・・という具合に進めます。
ポイントは、左脳で判断しないということ。
「こんなことを今更言ってもムダ」「親も苦労してきたのだ」といった判断が横入りすると、自分の気持ちにしっかりと向き合えなくなります。
良い、悪い、を判断でしていくのではなく、出てきた感情をただただ受け止めてあげるのです。
まずは、これに徹しましょう。
それができると、その奥にある本当の気持ちに気が付きます。
「本当は、ただみんな笑顔でいてほしかった。ただそれだけ。」
こうすることで、ようやく自分の本当の思いが出てくるんですね。
感情を出しきったその奥に、自分の本当の気持ちを発見します。
ずっと自分が自分の気持ちをないがしろにしていたことに、ハッとします。
親が大きな影響を与えたことは確かですが、自分が自分のことを、誰よりもないがしろにしてきたんです。
そのことに心の奥から気づくと、ハラハラと涙があふれ出てくるものです。
これは、頭でいくら考えていても出てきません。
やってみない限り気づくことができないのです。
あなたの本当の気持ちに耳を傾けて
Eさんのように、嫌というほど親の不仲を見せつけられ、いよいよ経済力も十分に身につけ、パートナーがいなくても生活に困らないレベルにまでなると、どうでもよくなるかもしれません。
結婚にあこがれや理想を描くことができないという気持ちもよくわかります。
ましてや「結婚は女の墓場だ」と言い聞かせてきた母親が、手のひらを反すように「まだ結婚しないのか!」などど言い放ち、腹が立つのももっともです。
でも、本当のあなたの気持ちはどうなのでしょうか?
本当のところは、親のせいではなく、あなた自身の理由で結婚を望んでいないのでは?
あなた自身の気持ちを確かめる必要がありますね。
本当に結婚したいと思っているのか?それを自問自答することが重要です。
前項でお伝えした、”あの頃の自分の気持ちを受け止める”という作業こそが、結婚に対する恐怖のスイッチをオフにすること。
良くも悪くも、パートナーシップのモデルはやはり「両親」です。
ここで持った恐れや思い込みを解放してあげる必要があります。
恐れがある限り、出会いがあっても無意識に成就しない方向へと持って行ってしまう。
たとえば、成就しそうにない既婚者との不倫ばかりを繰り返してしまうことも、その一例です。
ですから、あの頃の自分がどんな気持ちでいたのか、そして親の喧嘩する姿を見て、どれほど傷ついてきたのか。
ちゃんと自分が受け止めてあげることが、大切です。
結婚に対してネガティブなイメージを持ち続けていた自分を解放してあげましょう。
それができると、周りに沢山の見本やモデルが居た事に改めて気づくかもしれませんね。
私たちは、このようなトラウマにいつまででも翻弄されているほど弱い存在ではないはずです。
今の自分の環境や状況を誰かのせいにしたり、環境のせいにしたりしても、何も変わりません。
もう自分自身の手に、自分の人生のコントロールボタンを取り戻しましょう。
私たちには、その力が備わっています。
そして、その変化を起こす覚悟を持てるかどうかで、人生が全く変わってきます。