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自分で自分を幸せにし、お互いを高め合える夫婦・恋人関係を築く!!
パートナーシップ心理学アカデミー代表 湯川央恵です。
上司とそりが合わず、大げんかをしてしまったYさんの事例を、ここの所お伝えしております。まだ読んでおられない方はこちらから。
子供が見えていないもの
父親にやってもらったことは、確かにアタマでは感謝している。
でも腹の中では「見捨てられた!」と言う思いと同時に「もっと子どもの世話をすべきだろう」「もっと誉めるべきだろう」と父親を責めていたんですね。
しかし実際のところは、お父さんは決して見捨てた訳ではなく、むしろYさんがもっと良くなるようにアドバイスしてくれていたのです。
自分の望むようにしてくれるのが当然!?
でもそれはYさんの望む形ではなかった。
Yさんが望んでいたのは、自分を否定せず丸ごと受け入れてくれること。
自分の望むようただただ遊んでくれること。
だから忙しい中、時間を作ってお父さんがキャッチボールをしてくれても、上手くなるようアドバイスをしてくれても、お父さんのやってくれていたことをYさんは
「オレが欲しいものはそんなんじゃない!」と父親を否定していたんですね。
改めて文章で見ると、なかなか斜め上からの要求です。
そうです、上司からダメ出しされていたのは、まさにYさんがお父さんに高い要望を求め、それに合わないお父さんを否定し、ダメ出ししていた自分自身の姿なんですね。
人間関係でトラブルを起こす人の残念な共通点
何よりお父さんが一家を養い、Yさんは経済的に一切の心配をすることが無く育ったというのは、父親の偉大な愛があったからこそ!!!
これまでいろんな方のセッションをしてきましたが、ここをスルーしている方が、本当に多いの!!
子どもは親にを経済的に守られて「当り前」だと思っているから、ここは全くカウントされていないんですね。
むしろ当り前だと思っているから、他の家と比べて自分はお小遣いが少なかったとか、兄姉弟妹と比べてあまりお金を欠けてもらえなかったなどと、足らない事、欠けている事にフォーカスして、不平不満をもってしまうのです。
その思いのまま大人になり、社会に出た時どうなるでしょう?
上司は自分を守るべきだと、当然のように思ってしまうわけ。
で、自分の思うようにしてくれないとイライラするんですよね。
そして部下や後輩からは、どう思われるでしょう?
そうですね!「上司たるもの、部下を育てて一人前だろうが!」と当然のように要求を突きつけられる、という訳です。
コチラの記事も、合わせて参考になさってください。
すべては自分が源
自分が親に高い要求をしているからこそ、上司にも高い要求を持ってしまい、同時に部下や後輩からもアレコレ求められて苦しくなる、ということになるのです。
自分に合わせてもらう事が「愛」ではない!
相手の要望を叶える事、傍に居てくれること、優しくしてもらうことは、愛のほんの一片に過ぎません。
むしろ収入の9割を家族の為に持って行かれても、黙々と働き、家族を養うこと。
仕事に対して好き嫌いで判断するのではなく、やるべきことをやること。
そしてプロとして並々ならぬ責任感を持つこと。
これこそが親がやってくれた、大人の愛なのです。
同じ事を今の自分ならできるでしょうか?
それも子どもが大人になるまでの、ほぼ20年近くもの間ですよ。
子どもからは、そんな大人の愛は大き過ぎて見えません。
子どもが分かる愛というのは、子どもでも認識できるような「優しい」とか「何でも言う事聞いてくれる」「自分の味方になってくれる」「いつも笑顔でいる」などという、極めて表面的な甘い愛のことを差しているんですね。
「自分の親は親らしいことをしてくれなかった」とか「親には無償の愛がなかった」などと見えている人は、
単純に自分の要望が高いということと、親がしてくれた愛の全貌が見えていないだけ。
ここ、めっちゃ大事な所です!!
立場が変わると見えるものが変わる
自分が親の立場になった時はじめて「親はこんなふうにやってくれていたんだ!」と思いませんでしたか?
夜泣きをする子どもを一晩中抱っこしてフラフラになりながらも、翌朝はいつもの通り家事をするわけです。
自分が上司の立場に立った時、初めて上司が見えない所で、いろいろフォローしてくれていたことに気づいたり、
部下の言いたい放題の姿に、かつての自分の姿を見て、そのときの上司に申し訳ないと思えたりする訳です。
父親の愛が見えていないと、自分より目上の人(上司、先輩、社長、メンター、先生)を見下したままになります。
つまりYさんが上司とトラブルを起こすのは、当然の成り行きだったんですね。同時に、一時的に収入が上がっていても、根本的に目上を見下しているので出世できません!
ということで子どものままの思考だと、トラブル続出で大損なんですよ。しっかり大人の思考へ、躾け直していきましょうね!
湯川 央恵