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アメリカ在住のLさんから、PPA(パートナーシップ心理学アカデミー)プログラム受講の感想をいただきました。Lさんの了承を得て公開させていただきます。
Lさんの赤裸々なお話から、得られるものは多いと思います。少し長いですが、親との関係性、パートナーとの関係性に悩んでいる方は是非ご一読ください。
諸悪の根源は母のせいと思い込んでいた
私がこちらのプログラムで学ぶきっかけになった悩みは、人に心が開けず、人前で話すと緊張してしまう、ことでした。
人が集まる場で、自分の発言が 相手にどう思われたかがとても気になり、勝手に妄想しては落ち込む、をよくしていました。
お話が上手な人が、その場にいる人を魅了しキラキラしているように見えて羨ましく、自分と比べては、そんな風に素敵に振る舞えない自分にダメ出ししていました。
両親は、私が子供の頃、しょっちゅう喧嘩をしていた印象があります。子供の私から見ると、父に不満ばかり言っている母、そんな母にピシッと言えないでいる父、という構図でした。
母の、父への言動が度を過ぎている。おまけに祖母とも折り合いの悪い母。
そんな母のありかたが、私の性格に影を落としているんだと思い、その諸悪の根源に見えた母を憎んできました。
また、子供の頃、母には、弟のようにもっと元気にハキハキしなさい、と度々言われて傷つけられた、否定されたと言う思いがあり、私が人に心を開けず緊張してしまうのは、こういう母の私への接し方に問題があったせいだと思い、ずっと恨んでいました。
被害者意識いっぱいのモンスター妻
夫は元々口数が少なく穏やかな性格でした。結婚前、大抵のことは私に合わせてくれる夫と一緒にいるのが心地よかったです。
でも、結婚してからは、環境も人間関係も変わり、今までは心地よかった「口数少なく穏やかで私のすることに口を挟まない」夫が「無口で無愛想でつまらない、頼りない人」と見えるようになりました。
私は度々夫に「何で何にも言わないの!」「何で黙ってるの!」と怒りをぶつけ、一度爆発するとしばらく部屋に引きこもる。1週間、長い時は1か月くらい夫に口を利かない、ということをしてきました。
今思うと、かなりのモンスター妻でしたが、そんな私を夫が咎めることはなかったので、自分の振る舞いを改めなくてはという危機感はありませんでした。
母や夫に不満をぶつける私に、弟や娘達は、ずっと冷ややかな目を向けていました。
私にはこれが本当に不思議で「私は正しいことを言っているのに、悪いのは母と夫なのに、なぜ誰も味方をしてくれないんだろう?ひどい!誰もわかってくれない!」と被害者意識でいっぱいでした。
そんなある日、ブログを読んでいた時に、湯川先生のサイトに出会いました。読み進めるうちに、今の私に必要なのはこれだ!と直感的に思い、すぐに体験講座を受け、PPA(パートナーシップ心理学アカデミー)のプログラムを受講することを決めました。
何がどう変わったのか
PPA(パートナーシップ心理学アカデミー)を受講してから何が変わったのか?を改めて振り返りました。
- 憎くてたまらなかった母、無口で会話ができず、もう熟年離婚するしかないと思っていた夫、見下していた父への見方が180度変わり、両親、夫に、謝罪と心からの感謝ができ、関係性が大激変しました。
- 母や夫を責める私を、弟や娘達が冷ややかに見ていた理由がわかるようになり、相手の話を正しいと思って聞くことの大切さを痛感しました。
- プログラムで教わったことを、ただの頭の中の知識でなく、自分の実生活に当てはめて考えられるようになってきました。
- 家族への怒りと恨みが激減したことで、気持ちが軽くなり、最近、身体にエネルギーが湧いてくるように感じることがあります。
- 良い時と悪い時の気分の浮き沈みのカーブが緩やかになってきました。
こういった変化がありました。
次に、こうした自分の変化に、どんなきっかけがあったかについてお話しさせてください。少し長いですが、お付き合いください。
変化のきっかけ① 母に対して
今、親ガチャという言葉があるようですが、まさにこの言葉の通り、私が好き好んでこんな母を選んだわけじゃない、ホントに大外れだと思っていました。
人前で話すと緊張するのが悩みだと話す私に、PPAを受講して初めに湯川先生が言われたことは、私には、超がつくほど意外なものでした。
人前で緊張するのは、Lさんがお母さんを見下し責めているからですよ。だから自分も人にそうされるような気がして緊張するんです。
なのでLさんに必要なのは、緊張しないようにすることじゃないです。
そうじゃなくて、お母さんにこれまでのことを心から謝ること。これなんだと思いますよ。
それを聞いて、私は呆然としました。
私があの母に謝罪する???母の方こそが私に謝るべきじゃないの?!と思いました。
心の中では納得できないまま、先ずは母にしてもらったことを書き出すことから始めてみました。すると、すっかり忘れていたけれど、母は私にたくさんのことをしてくれていたんだなと気が付きました。
変化のきっかけ①母の本当の姿
母は洋裁が趣味で、子供の頃、私によく服を作ってくれました。
また、一人暮らしをしていた時、結婚してから、子供が生まれてから、母はいつも私の生活を気にかけてくれ、その時々に応じて色んなものを段ボールに詰めて送ってくれました。
それ以外にも書き出すとたくさん、たくさんありました。
それを私は長い間忘れて、なかったことにしていたんだと思い、少し、母に対する怒りが和らぎ、責めてきたことに罪悪感を感じました。
変化のきっかけ①自分の本当の姿
でも、帰省して実際に母の言動を目にすると、再び怒りがわきあがり、やっぱり母が変わらない限り無理、もう止めた!と思いました。
そんなことを思っている時の、一時帰国したある日のことです。
ちょっとした諍いから、母の手首を思いっきり掴んでしまい、そのせいで痣ができてしまいました。
この時、母に対してこんな暴力的なことをして、自分は人として最低だ、PPA(パートナーシップ心理学アカデミー)で学んでこのザマかよ!と思い、気持ちはどん底に落ちました。
その日の夜、いつも仕事から遅くても19時には帰ってくる母が、21時を過ぎても帰ってきませんでした。
後から、その日の夜は特別な用事があって遅くなったことがわかったのですが、私は自分のせいで、母が帰ってこないのではないかと思い、後悔と心配でたまらなくなりました。
お母さんが帰ってこない!私のせいだ。
お母さんがどっか行っちゃって、二度と会えなくなったらどうしよう。
そんなのヤダよーーーーーお母さん帰ってきてーーどこにもいかないでよーーーーー。
そう騒いでぎゃんぎゃん大泣きしている小さな自分のイメージが頭に浮かびました。
ん?あれ?!
私は母に正しいことを教えてやってると上から目線でいたけれど、実はこんな風に母に甘えていたのか?!とはっとしました。
この時、初めて客観的に自分の姿が見えました。
文句を言いながら、帰省時は当然のように実家に何日も泊まらせてもらい、母が作ってくれたご飯を食べ、食べた後の食器を洗ってもらい、洗濯物を取り込んでたたんでもらっている。
文句を言いながら、母に依存し甘えきった自分の姿
を初めて自覚し、恥ずかしいと思いました。
これまで母のしてくれたことを当たり前と捉え、感謝したことがなかった。
ここに私の非があったとハッキリ気が付きました。PPAでは、自分に100%の非がなく、非が例え20%だとしても、その20%の非をしっかり謝罪することと教わります。
私の非は20%どころではないと思いますが、これまで知識でしかなかった「自分の20%の非」の意味がストンと腑に落ち、ようやく母に心からの謝罪と感謝ができたのでした。
変化のきっかけ② 夫に対して
子供が遠方の大学に通うのに下宿するかどうかになった時、夫がOKを出したのです。
その時の夫のやりとりをご紹介します。
私:経済的に負担になるのに、よく下宿をOKしたね。
夫:何かと口出しをしがちで過保護な君から、離れた方がいいと思ったからOK したんだ
私:そうか。。私の子育てに問題があると思っていたんだね・・・。(いじける私)
夫:でも頑張ってたでしょ?そう思ったから何も言わなかったんだよ。
これにはとても驚きました。
子育てでダメ母なところが多々あった私の、それでも頑張っていると、できている部分を見て夫は黙って見守っていてくれた。
え?これ、私がバカにしてきたあの夫が言ってるの?この人、こんなに器の大きい人だった?と、私には全然見えていなかった、夫の一面に初めて気が付きました。
夫への見方このように、少しづつ変わっていき
「ものの見方・解釈の仕方で自分の世界が変わる」ということが腑に落ちてきました。
実はPPAで学ぼうと思った少し前から、これまで何も言わなかった夫が、私が怒りをぶつけると怒鳴り返して来るよようなことがありました。
「もうやってられない!!!」と顔を真っ赤にして私の方に向かってきた夫を見て、殴られるかもしれないと思ったこともあります。
こうして私は長年、夫が何も言い返さないことをいいことに、根っから穏やかな夫を、そこまで自分が追いつめていたことに初めて気が付きました。
私がPPAで学んだことの一つに、視点が少なく、視野が狭く、視座が低いために、物事の一部しか見えない、というのがあります。
夫を見ていた自分ががそうだったと、初めて気が付きました。
先日夫と話しながら
「最近、あなたが広く高い位置からものが見れる人だと気が付いた。凄いなと思ったよ」
「私はもう30年以上、あなたと一緒にいるけれど、これまであなたの凄さに気が付かなかったよ」と伝えました。
夫はニコッと笑って「そうでしょ」と言ったので、笑ってしまいました。
かつての私たちからは考えられないくらい、今は夫と和やかな時間を一緒に過ごせています。
変化のきっかけ③ 父に対して
私は、昔から母に言いたいことを言われ、そんな母にピシッと厳しいことが言えない父を、可哀想と思っていました。
そんな風に父のことを思う私は、父を低く見て、バカにしていたと思います。
夫への見方が変わった時と同じく、自分の視点が少なく、視野が狭いために、父を表面的にしか見れていなかったことに気付いた出来事がありました。
前回の帰省中、母が夜遅くまで帰ってこなかった時、父は母を心配している様子でした。
そんな父に「お母さん遅いね」と声をかけた時、滅多に声を荒げない父から、こう言われました。
そんな心配をするくらいなら、お母さんにあんな態度を取るんじゃない!
お前は「昔あーされた こーされた」と恨みがましく思っているようだが、可愛がって育ててもらったんだぞ。
学費だって出してもらっただろう。そういうことは無かったことにするのか。お前がことを大きくしているんだぞ!
ハッとしました。温厚な父がここまで言うなんて・・・。
その後、しばらくして、父に電話で素直に謝りました。
すると父は「母は色々抱えながらもできることを一所懸命にやってきたんだ。誰でもそうだろう。人のそういうところを見れるようにならないといけない」と静かに言いました。
その父の言葉から、父は母の頑張りをずっと見ていて、そこを認めていたのではないかと思いました。
それは夫が私を見守っていてくれたのと同じだと気が付き、父への見方が変化しだしました。
また、私にはいがみ合っているようにしか見えなかった両親でしたが、子どもの私には見えないものがあったんだという事。
それを何でも分かったように両親のことに口出ししてきたんだ!という自分の姿が、ようやくわかりました。自分を反省しました。
今、父のことは、人生の大先輩、父が大きな愛で家族を守ってくれたお陰で私の今があるんだと、心から思え、感謝できるようになりました。
そして今
家族、特に母と夫への見方が変わり、恨み 怒りが激減してから、心や気持ちが嘘のようにすっきりと軽くなっているのを実感しています。
と同時に、時々何かの拍子に、頭と体にざざーっとエネルギーがわいてくるような感覚を覚えることがあります。
恨みや怒りを抱えることは、とてもエネルギーがいること。でもそこにエネルギーを使うことが無くなったので、使えるエネルギーが増えてきているのかな?という気がしています。
今から思えば、過去の私は、まるでジェットコースターに乗っているかのようでした。
気分がよくやる気いっぱいの時と、落ち込んだ時の差。これには本当に疲れたし、周りも振り回していたと思います。
今も気持ちの揺れはありますが、前よりそのカーブが緩やかになっています。
問題を作っていたのは全て自分だと分かった時
憎くてたまらなかった母。
無口で会話ができず、もう熟年離婚するしかないと思っていた夫。
見下していた父への見方が180度変わり、両親、夫に、謝罪と心からの感謝ができ、以前とは全く違う現実が今、送れるようになりました。
これも「問題は外にあるのではなく自分」だ心底思えた時に、自分の目の前が開けていったように思えます。
父への態度が悪い母を批判していた私が、自分も夫に同じ態度をとっていると自覚した時。
両親と夫への見方がガラッと変わった時。
自分が人の話を聞いていないとわかった時
自分の現在地が全然見えていなかったと認められた時。
こういった気づきを積み重ねていったある日、問題を作っていたのは全て自分だったんだと腑に落ち、視界が180度ひらけました。
これまで悪いのはすべて周りだと思ってきた私の、ターニングポイントだったと思います。
これからの目指す姿
私のなりたい理想像は、「器の大きい人、人の心を明るく照らすことができる人」です。
私は、いずれ、医療施設でのボランティアといった、ボランティア活動をしたいと思っています。
どれも対人の活動なので、私自身の心のあり方、話の聞き方、ものの見方といった、PPAでのプログラムで学んだことを生かしたいと思います。生涯、社会と関わりを持って生きていきたいです。
(感想はここまで)
問題の本質を見極めるからこそできる根本解決
Lさんの感想を読まれて、あなたは今何を感じているでしょうか?
気づきは一度あればいいのではないのです。
何度もなんども波のように気づきを重ねていくんですね。
真の問題は最初見えない
そして、そもそも問題と感じていることが、問題の本質ではありませんでした。
Lさんの場合は「人前で話す時に緊張してしまう」ここが最初の悩みでしたが、問題の本質は、そこではありません。
「親への見下し」でした。
それに気づかない時は、母の姿だけが傍若無人に見え、自分が夫に傍若無人に振舞っていることが、全く見えていなかったんですね。
問題を解決するための必須条件は「自己成長」
私の好きな言葉で、アインシュタインのこんな言葉があります。
今日我々の直面する重要な問題は、その問題をつくったときと同じ考えのレベルで解決することはできない。
まさにその通りで、Lさんは自身の成長に伴い、気づくと最初の悩みは軽々と解決。
さらに自分でさえも気づいていなかった潜在的な問題までもを解決し、気づくと夫、子供、母、父とLさんは自分の周りの環境を見事にガラリと変えていかれ、欲しい現実を手にされました!!
ほんと素晴らしいです!
まとめ
最初Lさんにお目にかかった時は、思考も偏りがちで「〜であるべき」「〜すべきでない」などの硬直した考え方でした。
「とても不自由そう」な感じを受けたのも、プログラム途中で「引きこもり」になったのも、今ではもう笑い話。
人はこんなにも変わるものなんですねー。
まさに不自由性からの解放!!こんな嬉しいことはないですよ。
決してここまでスイスイこられたわけじゃありません。PPA受講中も、様々なことがありました。
ですが決して投げ出すことなく、ここまで丁寧に向き合ってこられました。
自己変容の苦しさは当然誰にでもあります。
ですがそれは一過性のもの。今の現実をずっと続ける不自由な苦しさと、一過性の苦しさをどちらでも選択できます。
Lさんは自己変容に舵を切り、見事にその結果を掴まれました。
逃げずにここまでやりきったLさん、これからの未来がますます楽しみですね!!!