自分の感情がわからない
「自分から望んだはずの離婚。
夫もサインし、後は自分がサインして印鑑を押すだけなのに、 二の足を踏んでしまう。
一体自分が何をしたいのかわからない。」
というお悩みで来られたSさん。
本当は離婚したいのか?
修復したいのか?
それすらも分からなくなってしまった、
ということなんですね。
自分の気持ちがよく分からない、と仰る方は
そう珍しい話ではありません。
目鼻立ちがハッキリした黒髪さらさら美人のSさん。
湯川の3ヶ月集中コースを申し込まれ、
今回が第一回目のセッションです。
一般的に「自分の感情が分からない」という状態になるのは、
感情そのものを抑えて来た方には
良くあることなんですね。
もっと言えば
「誰かのせいで私は感情を我慢してきた」と被害者意識を感じていることが多い。
(本人意識するしないに関わらず、です)
Sさんも
「ずっと私さえ我慢したらいい、
そう思って自分の気持ちを感じることを我慢してきた」 と感じておられたようです。
以下、Sさんと湯川のやり取りです。
湯川: 感情を抑えて来たと感じるようなエピソードってありました?
Sさん:もう大学生になってからのことですけど、
私宛の郵便小包が来たら、母は必ず勝手に開封するんですね。
それとノックもなしに部屋に入って来られるのがイヤでした。湯川:ほー、そういう場合、Sさんはどうされてきたんですか?
Sさん:黙っていました。
湯川:何も言わない?
Sさん:ええ、言っても無駄だと思うから。
湯川:そうなんですね、でも一度も言ってないのに、 何で無駄だと思うんですか?
Oさん:何でかな?そう思い込んでるみたい。
「言っても無駄」の言葉の裏にある本当の思いとは
よく「言っても無駄だから」とか
「もう諦めている」ということを仰る方がいます。
実際のところは「諦めた」という感情に至るまで、
そもそも
「言わなくても察しろ」
「分かって当然」
という思いが前提にあったハズなのです。
それが自分にとって余りにもアタリマエなので、
その思いがある、
という事すら気づかなかったということなのです。
それが叶えられなくて「諦めた」 という順番になっているわけです。
「何度言っても否定された」
「受け入れてもらえなかった」と言う方も同じ。
そもそも
「否定せず全部受け止めてもらえるのがアタリマエ」 が前提なのです。
なので順番は
1、「言わなくても察しろ」
2、それが分かってもらえない、思いが叶わない
3、諦めた、ということ
単純に「諦めた」 という言葉だけを聞いていると気づかないことなんですね。
さて、Sさんとのセッションは
それからどのように進んでいったのでしょう。
以下、Sさんと湯川とのやり取りです。
(前段階を削除し、 いきなり核心部分からのやり取りでスイマセン)
湯川:Oさんは自分がいつも我慢して、
周りから振り回されていると感じてられたと思いますが、
実は、振り回していたのはOさんの方なんですね。
それ、わかります?Oさん:へっ?私が?
どういうところが振り回しているってことなんでしょう?湯川:あ、分かんないですか、
Oさんは自分の思った事を言葉にしていないですよね。
それでここまで生きて来られてどうですか?
何か特に困った事ってなかったんじゃないでしょうか?Oさん:ええ、特に問題はありませんでした。
通常、自分の思いを言葉にしないと、とても困るわけです。
やりたい事が出来なかったり、欲しいものが手に入らない。
とても不便なわけです。
だからみんなちゃんと言語化して伝えているんですね。
ところが今の歳になるまで、
自分の気持ちを言葉にあまりしなくても、
特に問題がなかったというのはどういうことでしょう。
それは周りが散々動いてくれたから。
だからこそ、
ここまで生きて来れたってことなのです。
でないと死んでますから。
言葉にあまりしない人がここまで
大きな問題もなく来れたのであれば
周りがアレコレ考え、察して、動いてくれた。
つまり、散々周りを振り回して来た
ってことなんです。
目が覚めたSさん
ここでSさんは視点がぐるっと変わったんですね。
目を大きく見開き
「自分こそが周りに振り回されている被害者だと思っていたのが、 全く逆だったのか」と。
自分の思いを言葉にしないから
自分の感情が全く分からないのは、アタリマエのこと。
つまり言葉にしなくても周りが動いてくれていた
その事実に気づくことなのです。
振り回していたのは紛れも無く、この自分なのだと、
ハッキリくっきり認めることなのです。
これからは「言わずとも分かれよ!」ではなく、
自分の気持ちを少しづつでもいいから言語化していくこと。
その練習をして行く必要があります。
自分の気持ちを我慢するでもなく、ぶつけるでも無く
ニュートラルに言える練習をしないと
本当に欲しい物は手に入りません。
いつも不満足な人生を歩んでしまう事になりますからね。
初めてのセッションを受けたSさんから
翌日このような感想を頂きました。
昨日はありがとうございました!
振り回されているつもりが、振り回していたなんて…。
自分でもどこかで感じてたのかなー。
なんで今まで気づかずにきちゃったんだろう。と思いました。夫のことはまだ許せないけど、
この状況にならなければ、私はずっと子供のままで若年性痴呆症。遅かれ早かれ必要なことだったんでしょうね。
悔しいけど、私自身を見つめ直すきっかけになった夫には
イヤだけど感謝する気持ちが出てきました。びっくり。夫とこうなったとき母に、
「夫と私は子供だったんだよ。」
と、言われたことを思いだしました。その時の私は
「ホント夫は子供。弱い弱い人間。自分だけ見て欲しいんだよ。
親からの愛情が足りていたかったからだね。」なんて言ってたけど、
「それ私じゃん!お子さまなのは私。」と、気づきました。母も私にヒントを出していたんですね。
やっとわかることが出来て本当に良かった。
Sさん、今回はセッションの内容や感想の掲載許可を頂き
本当にありがとうございました。
これからどんどんセッションを積み重ねて行く度
自分がラクになっていきます。
楽しみにしていて下さいね。