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はっきり言えない人と、ついつい言い過ぎてしまう人
『はっきり言えない人』を理解すると、その反対にいる『ついつい言い過ぎてしまう人』のことがよくわかります。
かつて、『はっきり言えない人』だった人が、それを卒業して『はっきり言える人』になったとします。
自分の中で『はっきり言う』ことに許可を出せるようになったわけですが、そのさじ加減がわからないので、言い過ぎてしまうことがあります。
と言いますか、過去の自分を乗り越えるが如く「言わなきゃ!」みたいになってしまう…。
そして言い過ぎた自分に嫌気が差し、自己嫌悪に陥るというのは、よくある話です。
こんなことなら、言わずにいた方がマシだったと逆戻りしてしまう人もいるんですよね〜。
心当たりがありませんか?
いろんなドラマを繰り広げながら、両極端を行ったり来たりするわけなんです。
これは、対極が分かるからこそ、中庸が分かる。
一気にうまくなればいいんですが、そう言うワケにはいきません。やはり練習が必要。だからとても大切な経験をしているところなのです。
はっきり言えない人に足りないこと
それではまずここで、『はっきり言えなかった時』について考えてみましょう。
結論を先に言いますね。
言うべき時に、相手に言えなかったとしても、「自分を責めない」ことが重要です。
先ほども言ったように、これまで、自分の意見を『はっきり言う』という経験や練習が乏しかったわけです。単純にそれだけのことなのです。
これまで周りの人にアレコレ気遣いしてもらっていた
まあ、言わずに済んでいた、ということは「これまで言わずとも周りが察してくれていた」ということでもあります。
まずはそのことをキチンと認識することです。
経験や練習が乏しくても、その年齢まで何とかなったって、マジスゴいことですから。どんだけ周りの人がアレコレ察してくれていたんだ!と気づくと、本当にもう感謝しかないですよ〜。
さあ、それが分かったら、適切に自分の思いを話せるようになるために、以下のことをやってみましょう。
イメージワーク
軽く目をつむって、今から言うことをイメージしてください。
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小さいころのあなたがいます。幼稚園くらいでしょうか。小学校に上がる前のまだ幼いあなたです。
その子がはっきり相手に言えず、もじもじしています。
その時、大人のあなたがゆっくり優しく、しかして毅然とその子供に言ってあげましょう。
あなたは自分の言いたい事が言えずに、そうやってもじもじしていたんだね。
そうすると、誰かがあなたの思いを察してくれていたんだね。便利だったね。ラクだったね。
子供のときは、それで良くても、大人になってもそれを期待していては、とても不便だよ。
自分のやりたいことも出来ないし、いつもイライラして全然楽しくないよね。
キチンと自分の思いを相手に伝えよう。伝える練習や努力をしていくんだよ。
相手に分かりやすく伝えるのは、練習しないとできないからね。
コツコツやっていくと出来るようになるからね。
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如何でしょう?イメージの子供は、どんな様子でしょう。
にっこりして「はーい!」と言ってますか?もしそうならオッケーですね。
毅然と言うと思うと、自分をダメ出しして「もっとシッカリしなさいよ!」「なにをあなたはグズグズしているの!」と言うような言い方だと、これはしんどいですよね。
自分がその立場だったら、やる気になるかっていうと、なかなか厳しいと思いませんか?
なので、まずは相手の気持ちをキチンと汲み取ってあげること。これを忘れないことです。
ハッキリ言えない自分を受け入れていないと
もしそれが出来ないと言う場合は、自分が自分に対して、一番厳しいんですよね。
こんな風に、他者に対して「もっとハッキリ伝えなさいよ!」とイライラしている方の真実は、ここにあります。
言いたいことをはっきり言えずに、迷ったり、怖がったりしている自分を、受け入れることができていない。許せていない。
だからこそ、子どもや他人のそんな部分を見ると、イライラしてしまうんですよね。
子供に向かって詰め寄っていた時代
湯川自身も、わが子が幼かった頃、まさにそんな状態でした。
ちゃんと言えない子どもに向かって、「早く言いなさい!」「お母さんは、ハッキリ言えない子は嫌い!」などと言い放っていました…(涙)
ハッキリくっきり言えない時、つまり自分の気持ちが分からない時は、ぜひこう考えてください。
「言うべきだ!」と責めるのではなく、「私はコレ!」とハッキリ主張できるまで自分のことを待ってあげよう。
今すぐ決めなくてもいいのです。
今すぐに「私はコレ!」と言えなくてもいいのです。
自分の気持ちを大事にしようと思っていれば、徐々に分かりにくかった自分の気持ちも、ちゃんと分かるようになってきます。
それまで待ってあげるだけでいいのです。
待つ心
「早く決めなきゃ」と相手の顔色や機嫌を見て、焦って決めていると、一番肝心な自分の気持ちを置き去りにしてしまうことになる。
他の人から見ると「こんな些細なこと」と思うことだって、それを自分の意思で決められるようになるまで、何度でも迷ってもいいのです。
必要なのは、待つ心、なんだと思うのです。
待てないのは「今直ぐ答えを出せ!」「さあ早く結果を見せろ!」という自分の焦りの心です。これはまさに「チャイルド」そのものなのです。
子供は待てないでしょ?(笑)今直ぐケーキが食べたいし、今直ぐ遊びたい、今直ぐ欲しいものは欲しい訳です。お母さんに「後でね」と言われても、ぎゃーっと大騒ぎしていたとしたら、恐らく今のあなたも、そんな部分が残っているかも。
なので「待てない時」は自分の中にいるチャイルドが、ダダこねているんだと、認識して下さいね。
自分を「待つ心」が持てるようになると、パートナーや自分の子どもに対しても「待つ心」を持てるようになります。
全ては自分が源、自分が最初ですからね。
ついつい言い過ぎてしまうことを防ぐには?
では、次に、『ついつい言い過ぎてしまう人』について考えてみましょう。
自分の気持ちを押さえてばかりで、相手にちゃんと伝えられなかった人が、少しづつ伝えられるようになると「自分の気持ちをもっと相手にハッキリ伝えるべきだ」と思うようになります。
そして、その先にあるのが、先ほど言ったように『ついつい言い過ぎてしまう』という傾向です。
我慢していた分、極端から極端に振れてしまうんですね。
言えなかった人が言えるようになるとハマるダークサイドです。これを知っておくだけでいいのです。
そしたら言い過ぎてしまった時に、
「あ!!自分は今、逆に振れて言い過ぎている」と気づけますからね。自覚さえあれば、ひとまず大丈夫です。
加減を知る為には、極端から極端を経験するプロセスが必要なのです。
それぞれの対極を知っているからこそ「中庸」や「程よい加減」が分かります。
ですから、「極端に振れた私はダメ」などと自分を責める必要もありません。
それも、程よい加減になっていく、大事なプロセスの一つなのだと、自分を許してあげてくださいね。
心配なのは、「無自覚のまま」「気づかないまま」やってしまうということ。
気づかないことには改善のしようがないんです。 まずは、意識してみることからはじめてみましょう。