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一般社団法人 人間関係心理学協会 代表理事
パートナーシップ心理学アカデミー 代表 湯川央恵です。
先日2日間にわたって、地元南紀白浜アドベンチャーワールドにて「ホースコーチング」を受けて来ました。
これは和歌山Well-being Monthの一環のイベント。
一般公開前のホースコーチングプログラムを、今回特別に体験させていただきました。
ホースコーチング参加目的
参加目的、というと、なんだか大上段に構えたようだけど、実際は心理カウンセラーとして、普段セッションを提供する側として、何か参考になることがあるかもしれない、くらいのヒジョーに気軽な気持ちで受けたというのが、本当のところ(笑)
でもその思いは、いい意味で見事に裏切られました。
いやー、めっちゃよかったよーーー!
<めちゃめちゃいいお天気でしょーー>
ホースコーチングとは?
ここまで読んで「そもそもホースコーチング?何やねん?」と思われました?笑
はい、私も全く同じことを思っていました。
読んで字の如く
「馬によるコーチング」です。
コーチングとは、一般的には対話や質問をしながら相手の中にある答えを引き出す手法。
だとしたら、馬とどうやって対話を交わすの?って思いますよね。
なぜホースコーチングなのか?
そう、馬は話せません。対話が出来ない中で、どうやってコーチングが機能するのか?不思議だと思いませんか?
言語も通じない。
自分より遥かに大きく、力も強い。
犬や猫のような身近にいる動物でもないので、よく分からない。
価値観も違う、日常も違う。こちらがコントロール出来ない存在。
そういう存在だからこそ、いっろんなものが見えてくるの。
何が見えてくるかと言うと、自分の日頃のパターンや、反応の仕方、価値観、癖。こういうものが、わらわらと見えてくるんですねー笑
<写真はプログラムも佳境に入ったところのワンシーン。青空で良いお天気なのですが、風が冷たかった〜!>
つまりそのような環境だからこそ、自然に自分に向き合える。
馬を通じて、自分自身を知る
と言えば良いかもしれません。
ちなみに「ホースコーチング」はスタンフォード大学医学部や、スイスのIMDビジネススクールで自己変容のためのプログラムとして、取り入れられているものだそうですよ。
ホースコーチングの学び
今回のホースコーチングでの大きな気づきは2点。
ホースコーチングの気づき①自分の在り方が全て
馬にブラッシングする時、1日目は馬が反応するたび「うわっ!なんか怒らせた?」「なんか嫌がってる?」と私、物凄くビビっていたんですね。そんな私を見て、馬もまた反応するのです。するとまた私も「こわー!」なんて反応し悪循環。
なので1日目はほとんど、馬とは心通わせず、でした。
でも2日目になると全く怖さが無くなって、リラックスしてブラッシングできたんですね。すると、いきなり馬もリラックスし出すんですよ。これにはホントびっくり!
全部、こちらの思いを見透かされてるように思いましたね。
どれだけこちらが取り繕おうが、こちらの在り方が、ダダ漏れなんだということ。
そして相手を変えたければ、相手にワーワー言う前に、自分が変わる、ということ。
普段パートナーシップ心理学アカデミーで伝えていることと全く同じ、ですね。
実は馬引きのワーク時にも、似たようなことを感じました。
こちらが落ち込んだり不安になっていると、いくら馬を引っ張っても「さあ、行くよ!」 と言っても、動かないんです。ましてや「さっさと動かんかい!」と怒鳴っても、脅してもびくともしません。
そんな時、行きたい方向を「まずは自分が見る」
そして堂々と自信を持って歩く。すると、あれだけ動かなかった馬が、ちゃんと動き出すんですね!!
ホースコーチングとパートナーシップ
例えばパートナーに対して、言葉でいくら良いことを言っても、心の中では「こいつはダメなやつだ」と思っていると、その気持ちって、伝わりますよねー。隠しきれず相手には分かっちゃう。
或いは、1日100回、相手にありがとうを言ったとしても、相手をコントロールする為にやっていたなら、「ありがとう」どころか『何か嫌な感じがする』と相手に伝わってしまうのも同じでしょう。
言葉や振る舞いは「Do」。あり方は「Be」。
いくら「Do」で取り繕っても、あり方「Be」は隠しきれない。
馬にも人間にも、それはダダ漏れ。
言葉や振る舞いで誤魔化したつもりになっても、心のあり方は全部伝わっちゃう。
私自身、普段いかに言葉に依存しているかを痛感しましたよ。
ホースコーチングー言葉ではなく伝わるもの
言葉はその人の内的世界によって、その解釈が全く変わって来ます。
何を言うか、なにをするかという『Do』ではなく、どう在るか『Be』がいかに大切なのかと。
今お伝えした言葉は、これまでも何度も聞かれた言葉だと思うのです。
聞いて知っていても、それを「体感を伴って理解し」また「実践できているか」は全く別物。
だから何度でも体験することです。
言葉や振る舞いという「Do」は、在り方「Be」という土台に乗ってるだけのもの。
だから、いくらいい言葉を言ったとて、その人の在り方が恐怖や不安から発した言葉であるなら、相手に伝わるのは、恐怖や不安のほう。
それをどんな美しい言葉で取り繕っても、漏れ出てしまう。
それを今回、馬から教えてもらいました。
ホースコーチングの気づき②思い込みからは何も見えない
2つめの気づきは「思い込みからは何も見えない」ということ。
馬が喜んでいると、鼻を膨らませたり、頭を下げたり、チューイングサインといって、口をもぐもぐするしぐさをするんですね。
でも、それも一つの見方。
確かにそうかもしれないけど、「鼻を膨らませているから喜んでるんだ」と決めつけるのは違う。
トレーナーの方から何度も問われるのです。
「今どう感じているのでしょうね?」「なぜそう思ったのですか?」「それは何を見て、そのように感じたのですか?」という問いや
「よ〜く全体を見て」と、こんなふうに、観察⇨気付きにつながる言葉を、何度もいただきました。
馬から学ぶー観察をし相手を決めつけない大切さ
「鼻を膨らましているから喜んでる」
というのはあくまで一つの見方。
馬全体をしっかり見ると、鼻は膨らんでいるけど、体は後ろに後退して嫌がっているなとか、いろいろ見えてくるものがあるのです。
それをせず決めつけてしまうのって、まるで童貞くんが「女ってこうすりゃ喘ぐんでしょ」ってAVで見たものを「正解」と思って、同じことをやっては「俺ってテクニシャン」と思っている勘違い野郎のような感じです。
って、もっとマトモな例え、無かったんかい!というツッコミは甘んじて受けます笑
つまり安易な答えに走らない。
決めつけやステレオタイプになるのではなく、常に全体性を見て、相手を観察すること。
わかったつもりにならないこと。
見ようとするから、見えてくる世界がある。
聞こうとするから、聞こえてくる世界がある。
解ろうとするから、解ってくる世界がある。
それを二日間のホースコーチングで「体感」を伴って学ばせてもらいました!めちゃめちゃ豊かな時間でした!!
アドベンチャーワールドのホースコーチングは、今年の4月から正式リリースされる予定だそうです。
(正式リリースされました。2023年11月)
我々のような心理カウンセラーや、対人援助職はもちろんのこと、チームビルディングや部下育成に悩む組織のリーダ、そして今子育て真っ最中の親御さんにも、めちゃめちゃおすすめだと思います。
当、人間関係心理学協会では、このホースコーチングを今後は積極的に取り入れていきたいと考えていますよ!!
それではまた!
湯川央恵
和歌山Well-being Monthの一環のイベント「映画杜人」から学んだものはこちら。白浜上映会