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先日は部下の成功に、妬ましい思いを抱えておられた、Hさんの事例をお伝えしました。
単純に部下との関係性、ということより
むしろ妬ましさの奥にある「自分には価値がない」という思いと、
読んでおられない方はこちらから。
部下の成功が妬ましいー母親から見たHさん
さて、そんな思いを持っていたHさん。
お母さんから見ると、どう見えていたのでしょう?
セッションでは相手から見た自分、というのを体感していただきます。
長女で頑張り屋さんで、弟の面倒もよく見てくれていた。
もちろん良いことばかりじゃなく、弟を陰でいじめていたことも、ちゃんとわかってた。でも、それでも姉として弟を守り、世話もしていたし
甘えたい思いもグッと堪えながら、
勉強もスポーツも人一番頑張って結果を出していたね。
だからこそ親は信頼していたのです。
いちいちHさんに何も言わなかったのは、信頼していたからこそ。
妬ましさの根っこ
弟はまだ小さいから手がかかる。
弟の方が可愛くてHさんが可愛くない、
Hさんも小さい頃は、同じようにやってもらっていたのです。
何よりも子供を自立させることが、親の最大の愛だから。
世話され続けることが愛ではなく、自立させるために、世話が減っていくことが親の圧倒的な愛。
そのことをHさんは、わかっていなかったんですね。
欲しくてやまないものこそ、ずっと与えられていた
お母さんは十分愛してくれていたのです。でも「自分の思うように」ではなかった、ということ。
欲しかったはずの愛は、ずっとずっと自分のすぐそばにあったのです。
なのに、自分は「ない」と思い込んでいた。
だから「価値のある自分になって愛を得よう」と思い、これまでの自分の人生
ずっとガムシャラにやってきたのです。
それに気づいたHさん。
もう涙が止まりません。
ネガティブな感情の取り扱い方
そもそもHさんは、部下の成功に嫉妬していました。
その嫉妬をないものにしたり、エセポジティブで誤魔化したりしていると
この宝物に行きつきませんでした。
ずっと「無い」と思って、欲しくてやまなかったものが、実はずっとずっと与えられていたことに。
どんな感情も悪いものはない
どす黒い感情は「ダメ」と否定するのではなく
「ダメでもいいんだ!」
「自分はこれをダメだと思っていたんだ」
それを受け止めることなんです。
傷口がヒリヒリすることかもしれません。
認めたくもないことかもしれません。
何よりも怖いですよね。
ダメな自分を克服するメリットとデメリット
多くは、自分の痛みに触れないように、誤魔化したり、
Hさんのように、価値のない自分にならないよう、ダメな自分にならないよう、駆り立てられるように努力するんですね。
そのことで力もつくし、周りからも認められ、自己効力感も得られます。
一定のところまでは功を奏すのですが、ある程度のところにくると、
今度はそれが効かなくなる時が必ずやってきます。
理由はその努力の根っこは「自分は価値がない」からスタートしているから。
だからどうやっても「価値がない自分」に戻ってしまうわけです。
その時こそ、自分の感情に蓋をせず、誤魔化さないでしっかり見ていくこと。そして気づくこと。
誰にも知られたくないような、どす黒い感情が湧いた時や、モヤモヤやイライラした時など
ネガティブな感情になった時こそ、大チャンスなの!!
どす黒い感情は「宝箱の鍵」ってことですからね!!
湯川央恵
嫉妬心についてはこんな記事も参考になります。