「うちの夫モラハラなんです、DVなんです」と言われる時、じっくり話しを聞いていると「ん?」と思うことがあります。精神的に幼く未熟な場合「厳しさ」=「悪」と見ていないか?キムタクドラマから紐解いてみたいと思います。
キムタクドラマ「教場」
今夜はドラマの話を。
自分で自分を幸せにし、お互いを高め合える夫婦・恋人関係を築く
パートナーシップ心理学アカデミー 主宰 湯川央恵です。
今年の年始は、2つのドラマがとても心に残りました。
1つは大手メガネチェーン「オンデーズ」の再生物語。
これ実話で『破天荒フェニックス』という書籍にもなっています。
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自分のチカラを見くびらず、もっと頑張れるぜー!と思える、いいドラマでした。
そしてもう1つが2夜連続で放送されたキムタク主演の「教場」というドラマ。
キムタクの新境地とか言われてましたけど、私が心に響いたのは、そこじゃないの。
モラハラ先生の裏の姿
キムタクの役どころは警察学校の鬼教官。
白髪の義眼。威圧的で一分の隙もない。
そんな冷酷無比な教官なんですね。
警察官にそぐわないと思うものは、徹底的にふるいにかけ退校を迫る。
愛を持って生徒を育む、というスタイルとは真逆で、むしろ趣味で生徒をいじめているのか、と思われビビられている存在なのです。
でもその冷酷無比な姿も、生徒のことを、そして警察官としての使命である”住民を守る“ということを、どれだけ実現できるのか真剣に思ってのことだと、後々から分かって来るんですね。
全ては警察官として、自分の命を張って市民の命を守れるか、同時に住民の心に寄り添えるか、そんなところを徹底的に鍛えて行きます。
その姿はまさに「父性愛」そのものだと思ったんですね。
モラハラと父性愛
お父さんは厳しい。
お母さんみたいにニコニコもしない。
でもその奥には圧倒的な愛があるからこそ、厳しくすることが出来るワケです。
でもそれが分からずに幼く未熟な見方しか出来ないとき、ヒドい!モラハラだ!とかDV!とか言われる訳です。
これ、普段のセッションでもよくあります。
「夫がモラハラなんです!」と言われるので、よーく相談内容をお伺いすると厳しい言葉であっても
「それ、めっちゃ大事なこと言ってもらっているよー」
ということが(笑)
でも自分が精神的に未熟だと「厳しさ=悪」だと見なしてしまうんですね。
そして相手をモラハラだ!などと思い、自分の怠慢さや傲慢さを、美しく棚にあげて被害者ポジションに収まり心の中で相手を責めまくる。
こういうパターン、めちゃめちゃ多いです!!!
何度言っても聞かない、直そうとしない、理解しない、心の底でバカにする…。
一体どっちがモラハラなんだ!?ってこと。
相手の成長と幸せを心から願うからこそ言える厳しい言葉
そしてもう1点、最後の印象的なシーンです。
クラストップの生徒に「なぜ警察官になろうとしたのか」
そのホンネに迫る場面が圧巻でした。
生徒は「警察官が憎かった」と表面的に理解していることを言うのですが、キムタク鬼教官は、そんな言葉では許しません。
さらにその奥にあるホンネに切り込んで行きます。
すると生徒は、泣き叫びながら怒ります。怒鳴ります。つかみ合いになります。
こうして自分の感情を出した先に
「本当は苦しむ人のそばに立つ警察官になりたかった…」
という言葉が、やっと、やっと、肚の底から絞り出すように出て来たんですね。温かな涙と共に・・・。
愛とは、砂糖菓子のように、優しくて甘ったるいものではなく、相手の成長と幸せを心から願うからこそ言える、厳しい言葉。
私自身の心に、ビンビン響きましたよ!
厳しさは「悪」ではないし
厳しさを避けていると、成長しません!
耳に痛い言葉ほど、成長の伸び代が大きい言葉。
がんばって聞けるようにしたいものですね。