パートナーシップ心理学アカデミー 代表 湯川央恵です。
今日はパートナーシップと子育ての密接な関係についてお伝えします。
夫婦関係と親子関係はリンクする理由
パートナーとうまくいってない人は、たいてい、親子関係も危うい状態にあります。
理由はシンプル。パートナーとの問題も、子どもとの問題も、「自分と親との関係性」に起因しているからなのです。
その問題が、パートナーを通して映し出されるか、子供を通して映し出されるかの違いにすぎません。嫁姑関係や職場の人間関係を通して出てくるケースもあります。
出現の仕方は様々ですが、その根っこにあるのはたった1つ「自分と親との関係性」です。
事実、湯川が提供しているマンツーマンのプログラムメンバーにも、単にパートナーとの関係性に悩んでいるだけでなく、親子関係に悩んでいる方がたくさんいらっしゃいます。
子どもが自ら命を絶つことの無い親の在り方
先日、メンバーを対象に母親対象zoomセミナーを開催した際、この問題について、とても理解が深まるご質問をいただいたので、ご紹介します。
【質 問】
子どもが自殺するという痛ましい事件が起こっている。
子どもは親を心配させたくない、という思いで、いじめられていることを言えないことが多いと聞く。
そんな時、親としてどう子どもに接してあげれば良いか。
いやー、子を持つ親としては、身につまされます。湯川も、ニュースで学生が飛び込み自殺をしたと知り、同じ親として胸が痛みました。
親は一体どう接したらいいのでしょうか、考えてみましょう。
ポイントは子どもが弱音を吐ける環境にすること。
親が弱音を吐くことを認めていないと子供が弱音を吐けない
これまで、子供が弱音を履いた時に、どんな反応をしていましたか?
「もっとしっかり頑張りなさい!」「そんなことでは、将来やっていけないよ!」そんな返事をしませんでしたか?
お母さんである、あなた自身が、弱音を吐くことを自分に許していないと、子供や夫が弱音を吐いた時、どうしても反応になってしまうのです。
そうなってしまうルーツは、あなたの幼少期にあると思います。
自分が幼い頃、正直な感情を出した時、親はどんな態度を取っていたでしょう?ちょっと振り返ってみてください。
「いつまででもメソメソ泣くんじゃないっ!」と叱られたり、露骨に嫌な顔をされたり、溜め息をつかれたり。
あるいは自分が正直な感情を出すことで、おばあちゃんやお父さんから、お母さんがひどくいじめられる、というようなことはなかったでしょうか?
そんな経験をしていると「正直な感情を出してはいけない」という「価値観」がプログラミングされてしまいます。だから、子どもや自分の身近に弱音を吐いている人が居ると自分の価値観に抵触して我慢ならなくなるんですね。
親自身の子どもの頃に原因があるかも
我慢してきた人ほど、人に我慢を要求します。もちろん無意識にね。
母親であるあなたが必死になって「強くあらねばならない」「弱音を吐いてはならない」と思えば思うほど、子どもは弱い部分を出せないのです。
必死になっているその姿は、まるで周りの人の手助けを拒絶しているかのように見えているのです。
だからこそ、子どもが弱音を吐けない。「そんなこと、言っちゃいけないんだ」って思う訳です。
でも、よく思い出してください。それはかつて自分が幼い頃に思ったこと、そのものではないでしょうか?
わが子を見ていると、あの頃の自分の傷がうづくんですよね。
何でも親に話せない子どものほうに問題があるのではないのです。
何でも話せなかった心の傷を持っている、『あなたと親の関係性』こそが問題を作っているのです。
問題の原因に気づけたあなたが変わっていけばいいのです。
母親であるあなた自身が、親との関係性でこじらせた思い込みを、癒すことが必要です。
湯川のマンツーマンプログラムでは、この部分にしっかり取り組んでいくので、「弱音を吐いてもいいんだ」「強くなくても大丈夫」と思えるようになります。
そうすると、子どもが、本音や弱音を話してくれるようになり、それを聞いても以前のようにイライラしなくなるのです。
感情に飲み込まれることなく、ニュートラルに子どもの話しを聞ける自分に驚くはずです。
まとめ
「何かあれば、お母さんはあなたの全面的な味方だから、言える時が来たら、打ち明けてね」
そうやって、待ってあげることも時期によっては必要ですね。
この対応は、いじめが深刻化してきた時には、手遅れかもしれません。だからこそ、日頃から弱音を吐ける家庭環境を用意しておくことが重要です。
子どもの話を受け止められる自分をつくっていくこと。
親としての自分のコミュニケーションスタイルを自覚し、自分と親との傷に向き合う覚悟を持つことが必要ですね。
あなたとあなたの愛する子どもたちがいつまでも幸せでありますように。
湯川央恵