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DV加害者男性の相談からわかる親離れとDVの関係

      2016/04/11

DV加害者男性からの相談

 大好きな女性に対して、なぜか威圧的な態度や、侮辱するようなことを言ってしまう。

力でねじ伏せたように相手を完全に支配してしまうんです。

 

ある男性から、こんな相談を受けました。

ここから、湯川がいろいろ質問をしていきました。

 

湯川:お母さんのこと、どんな風に思っていますか?

男性:とても尊敬しています。小さい頃、貧しかった母は、子どもである僕らに期待していたのだと思います。

湯川:そうなんですね。どんなことを期待しておられたんですか?

男性:母はいつもこう言っていました。『貧しかったから、勉強したくてもさせてもらえんかった。だからあんたらには、ちゃんとした所に行ってもらいたい』ってね。

湯川:そうなんですね。

男性:ええ、だから小学校の時、学校から終わって、真っ直ぐに帰らないと、よく怒られたものです。

湯川:え?どうしてですか?

男性:お風呂と夕食以外、ずっと勉強する必要があり、早く帰宅しなければならなかったのです。

湯川:ええ!そうだったんですか?

男性:ええ、母はいつも棒を持って玄関先で待っているんです。だから早く帰らないと。でもその甲斐あって医者になれました。

湯川:ええ!ちょっと待って!小さい頃、そんな状況、イヤじゃなかったの?

男性:いえ、これは母の愛だと思っています。感謝こそすれ、嫌だなんて。

 

彼は、そう言いながら、だんだん落ち着かない様子になりました。

彼が幸せで、何の問題も無いなら、スルーすればいいのですが、今、まさにパートナーとの間で問題が出ているわけです。

 

ですから、湯川はしっかり突っ込ませていただきました。

すると、ポツリポツリと話してくださいました。

 

本当は、母が怖かった

学校から帰ると、棒を持って玄関で待っている母が怖かった。

そんな母は養子だった父にも感情をぶつけてよくケンカしていた。

我が家では母親の機嫌次第で、天国から地獄に突き落とされることが多かった。

この家庭環境で唯一ハッキリしているのは、いつも不安定で何が起こるか分からないということ。

だから、勉強に逃げたんですね。勉強するしかなかったのです。

せめて自分がいい成績を取ってくることで、家庭内が平和になってくれたらと必死だったんです。

 

男性は、こう語るうちに滂沱の涙で感情を出し始めました。

 

本当は母親が怖かった!

本当は勉強なんてしたくなかった!

みんなと遊びたかった!

もっと子供らしくいたかった!

無邪気でいたかった!

 

あの頃はただただ母が怖く、何も言えず、従うだけの、無力な自分。

「母のことを尊敬しています」

そう答えることで、自分の過去の気持ちから目を背けていたんです。

無力で震えているだけの弱い自分に、向き合いたくなくて。

そして、力でパートナーを支配している時は、幻の万能感に酔えたのでしょう。

 

でも、大人になったからといって、母親に対して何も言えなかった感情が消えるわけではありません。

その感情が「自分の一番大事な人」パートナーに対して、出現してしまったのです。

無意識のうちに、母親への恨みを、一番大事な人にぶつけていたというわけ。

 

もっと言うと・・・

 

彼は精神的に母と乳離れできてなかった。

大人になった今でも、母に愛されたい、母に大切にされたい、という想いが残っていて、親離れできていなかったのです。

だから、乳離れできていない者同士が、よくカップルになっています。

惹かれ合いながら、恨みを持つ恋愛。

親との関係性が未完了なままだと、このようなことが起こってしまうのです。

 

まとめ

いづれにしても、小さなころに、しっかり愛されたという感覚が無いことで、無意識にそれを追い求めてしまう。

それは女性も男性も、変わりはありません。

 

そして彼の場合は、果たせない思いが、母親に対する恨みとして無意識に出てしまっていた。

母親=女性に対して、威圧的で侮辱した態度になり、相手を力でコントロールすることがやめられなかった。

そして、離婚までして何度も恨みを晴らしていたということになります。

 

小さい頃に置き去りになった気持ち、それを軽んじることなく向き合うことが大切だということが、よくわかる事例でした。

 

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湯川 央恵
幼少期からの家庭環境が将来のパートナーとの関係に大きく影響するということを 自らが夫婦関係の中で体験、 解決したことを機に、学んできた潜在意識、NLP、アドラー、フラクタル心理学、認知行動療法等を融合し, <ダメンズ引寄せ心理学の専門家>として活動。 クライアントに寄り添いつつも、問題点にズバリと切り込む独自のセッションが好評。 恋愛結婚の悩みのみならず、子育て、職場などの人間関係に悩む人たちが、自分らしさを取り戻し、真の自立を目指す女性になるまでの必要なアクションをきめ細かくサポート。 全国、海外からもセッション希望の問い合わせが多数寄せられている。

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